Rails はエンタープライズの世界で主流になるか
Ruby on Rails がエンタープライズの分野で勝利するかどうか。議論が熱くなりがちなテーマです。
最近では、Christian Sepulveda がブログで Why Rails will Reign Supreme (なぜ Rails は一人勝ちを収めるか)という刺激的なタイトルの記事とその続編を書いて、それに Tim Goh が Why Rails Will Not Reign Supreme (and why you shouldn't want it to) で噛みついています。
Christian の議論の要点は、Rails は開発コストを劇的に下げることで、ソフトウェアの経済原理を変えてしまう、というものです。彼の予想では、2年から5年の間に Ruby on Rails がエンタープライズの世界において Java に代わる新しいデフォルトプラットフォームになるそうです。
Rails を採用している我々には非常に心地よい議論ですが、正直なところ、Christian ほど自信満々に主張するのはためらわれますね。
他方、Tim は、そもそもエンタープライズには Ruby みたいな強力な言語は不要だ、なぜならエンタープライジーな非技術系の会社は(強力な言語を好む)スーパースタープログラマーを雇うのが嫌いで、低コストの交換可能なパーツとして技術者を雇いたがるからだ、と指摘します。また、Ruby/Rails にはそれを教えてくれる学校が欠如しており、技術者の数が少ないので結局 Rails での開発は高くつく、とも書いています。
Rails の技術者の数が少ないのは確かで、その事実が Rails での開発のコストまたはリスクを高める、という論法はまあいいとしましょう。しかし、エンタープライズには Ruby みたいな強力な言語は不要だという主張はどうでしょうか。
企業が Ruby を採用するかどうかは、企業がスーパースタープログラマーを雇うかどうかとはまったく関係ありません。Ruby はプログラミング言語として特に難解でもないし、特殊でもありません。企業がどのレベルの技術者を雇うかの判断は、開発案件次第です。そして、技術者の賃金は需要と供給によって決まります。
ところで、Tim は Ruby/Rails が主流になることが Ruby/Rails 技術者にとって望ましいことなのか、とも論じています。そうなれば、"non-tech people" に主導権を握られることになって、技術者たちは面白くなくなるだろう、次の言語やフレームワークを求め始めるだろう、というわけです。
そうかもしれないけれど、多くの人にはどうでもいいことでしょうね。
なお、私は Matzにっき(2008-03-22) からこれらの記事にたどり着きました。
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黒田努
(2008/03/29)
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