Kindle本『Elixir/Phoenix 初級①』を出版しました

2016/11/25

今週の火曜日(2016年11月22日)から『Elixir/Phoenix 初級①』というタイトルのKindle向け電子書籍の販売を開始しました。

Elixir(エリクサー)はプログラミング言語、Phoenix(フェニックス)は Web 開発フレームワークです。

Ruby や Ruby on Rails と比較すると、まったく有名ではなく、「知る人ぞ知る」といった存在ですが、私の見立てでは、2020年に向かうこれからの数年間、Web業界を席巻すること間違いなしの期待の新星です。

副題に「はじめの一歩」とある通り、この本は本当に本当に初心者向けです。ElixirとPhoenixのさまざまな特徴のごく一部、それもRubyやRuby on Railsによく似た部分に焦点を当てて紹介したものです。

Elixir 学習者が本当にワクワクするだろう個性的な内容、パターンマッチング、パイプ演算子、再帰、平行プログラミングなど、についてはあえて触れていませんので、すでに Elixir をご存知の方にはたぶん物足りないだろうと思いますが、次巻『初級②』以降で少しずつ触れていくつもりですので、しばらくお待ちください。

ひとつ白状しておくと、本書の内容と既刊『Ruby on Rails 初級①』の間にはかなりの重複があります。本書の原稿は『Ruby on Rails 初級①』の原稿がベースになっています。

『Ruby on Rails 初級①』のコンセプトは、HTML、CSS、JavaScript、Bootstrapなどについても前提知識としないことで、本当の初心者でもWeb開発に挑戦できるようにすることでしたが、本書『Elixir/Phoenix 初級①』もこのコンセプトを引き継いでいます。

また、本書では『Ruby on Rails 初級①』で作成したSimpleGreeterというWebアプリとほぼ同じ仕様のModestGreeterを作りながらElixir/Phoenixの学習を進めます。

そのため、章によっては「ほぼコピペ」になっています。その点をあらかじめ了承した上で、購入していただきますようお願いいたします。


Elixir/Phoenixの魅力はたくさんありますが、なんといっても目立つのはパフォーマンスの高さです。

Phoenix製のModestGreeterとRails製のSimpleGreeterをGoogle Cloud Platform上のサーバーにデプロイしてベンチマークを取ってみたところ、前者のスループット(平均リクエスト数/秒)が後者の約20倍、前者のレイテンシー(平均遅延時間)が後者の約13分の1、という驚くべき数値を叩き出しました(本書の付録B「ベンチマークの計測」参照)。

Elixir/Phoenixを採用すれば、この高パフォーマンスを実現しつつ、Ruby on Railsのように楽しくプログラミングができる(たぶん)、というわけです。

まだ歴史の浅い言語・フレームワークではありますが、設計者たちはRuby on Railsのやり方をおおいに参考にしているようで、補助ツールやドキュメントもかなり豊富です。

ぜひ、この冬にElixir/Phoenixの学習を始めましょう。

ちなみに、次巻『Elixir/Phoenix 初級②』は2017年春までに出したいと考えています。